住宅ごとに1㎝(センチメートル)単位で予測することができるシステム
8月10日(月)に放送されたテレビ東京「ワールドビジネスサテライト(WBS)」にて浸水予測AIシステムなどを含む弊社の開発技術が取り上げられました。2020年7月、九州を中心に広い範囲で甚大な被害をもたらした豪雨災害が起きるなど、数十年に一度といわれる災害が例年のように発生しています。そのような被害を食い止める最先端技術として、弊社の浸水予測AIシステムが紹介されました。
これまでArithmerは、最先端の数学や物理を専門とする弊社の開発チームメンバーが幅広い分野に向け研究を応用し、差し歯の設計を自動化する技術(歯科自動設計AIシステム)やスマホアプリから撮影した写真より身体のサイズをAIが自動で測定する技術(自動採寸AIシステム)などの製品を開発してきました。
この中でも、弊社が開発した浸水予測AIシステムが全国の自治体から注目を集めています。ドローンを飛ばして撮影されたデータより生成した地形データをもとに3Dマップを再現し、AIが地形の特徴をもとに雨量や川の決壊箇所などの浸水被害を予測します。水がどの方向から進入し、どの程度まで浸水するかを、住宅ごとに1㎝(センチメートル)単位で予測することができます。このシステムは、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県広野町が、全国で初めて導入を決定しており、被災状況を事前確認できる対応措置として取り入れています。
「人はどうしても自分の良い方に物事を考えたがる傾向があります。だからこそ客観的なリスクの見える化が重要視されています。実際にこういう状況を目の当たりにすることで危機意識が高まるのです」と弊社代表は話しています。浸水予測AIシステムは三井住友海上火災保険株式会社様および、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様にご活用頂いており、大規模な豪雨災害がみられた熊本県人吉市でも損害調査に導入されました。この技術を利用するメリットとして、立ち会い調査に行かなくとも一軒一軒の浸水度合いを算出することができ、早期に保険金を支払うことができるという事と、コロナ禍でもお客様と顔を合わせて面会せず、遠隔で損害の確認ができる事があげられます。例えば今後、荒川が氾濫したらどうなるのか、保険金が支払えるか、といったことが保険会社としては大きな課題となりますが、この技術を利用することで、より短期間でこれらの支払いを準備する環境が整えられたといえます。世界的に豪雨や洪水による被害が深刻化している中、浸水予測AIシステムは水害が多いアジアなどでの活用も視野に入れております。将来的に洪水ハザードマップによる災害予測の実用化を進めるとともに、水害が発生する以前にできるかぎり危機を回避し、安全対策に貢献したいと考えています。
ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 | カギは最先端技術 豪雨災害に立ち向かう!
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